定年退職から65歳までは実は「稼ぎ時」?

2020/07/14
老後を過ごすにあたって経済的に不安を抱えている人の割合が80%を超えるというアンケートの結果は先にも紹介したとおりです。ほとんどの人が公的年金だけの老後生活には不安を持っでいるということでしょう。では、現実にどうすればいいのでしょうか。理想をいえば、不足すると考えられる分を貯蓄して、その貯蓄を徐々に取り崩していくことです。

しかし、すでに60歳前後の「アラウンド還暦(アラカン)」になっている人は、これから老後資金を増やすといっても限界があります。せいぜい資産運用に精を出すくらいしかありませんが、世界的な金融危機では資産を増やすのもなかなか大変です。そこで浮上するのが「定年退職後も働き続けること」です。定年退職といえば通常は60歳~62歳くらいですが、最近では賃金は半分くらいになってしまうものの、そのまま継続して働く人も増えています。

定年退職後も働き続ければ、ある程度の収入は確保できるし、65歳から受け取る年金の額も増えるはずです。また、健康保険も継続して働けばそのまま会社が半分負担してくれるために格安で済むといったメリットがあります。つまり定年退職してそのまま働くという選択肢には様々なメリットがあるということです。少子高齢化で公的年金がおぼつかないご時勢では、これがもっとも正しい選択肢といえるかもしれません。ここで注意したいのは、このご時勢「会社には中々残れない人」が多いこと。

いったん定年退職して退職後にもう一度求職活動をしたいという人は多いはずです。さらに求職活動を始めるにしても40年近くも働いてきたのだから2~3ヵ月くらいは休みたいという人も多いはずです。むろん、定年退職後も手続きさえすれば雇用保険をもらえるのが日本のシステムですが、その代償として求職活動もしなければなりません。求職活動をスタートさせて仕事が決まってしまうのもちょっと困るなんていう贅沢な人もいるかもしれません。

そんな人には雇用保険の「受給期間延長」の手続きがあります。失業保険の受給期間は退職の翌日から1年間ですが、次のような人は特別に退職の翌日から「2ヵ月以内」にハローワークに出向いて申請すれば1年間受給を延長できることになっています。受給期間延長の申請ができる人というのは次のような人です。

・60歳以上で定年退職した人
・60歳以上の定年後の勤務延長が終了して退職する人